☆シエル(GM)が現れた……☆ (2015/04/15 17:02)
GM> 灯台に登り、ニューゲートの街並みと海を照らす夕焼けを見る。 (2015/04/15 17:03)
GM> 景色は、やはり思い出のモノではなかった。 (2015/04/15 17:04)
GM> しかし、彼女は驚かない。 (2015/04/15 17:04)
GM> 来る途中、街の家の配置を記憶してきたから。 (2015/04/15 17:05)
GM> 本来ある場所には、全く違う建物が建っている。 (2015/04/15 17:06)
GM> つまり、異常だったのはシエルの記憶ではなく。 (2015/04/15 17:06)
GM> この地点。いや、この空間。 (2015/04/15 17:07)
GM> 何者かが魔法で幻覚を見せている。 (2015/04/15 17:07)
GM> 『魔法解除』を唱え、幻覚を消すと景色は元に戻った。 (2015/04/15 17:23)
GM> 灯台を降りて、もう一度『魔法解除』を唱える。 (2015/04/15 17:29)
GM> 形状の変わっていた灯台は、思い出に残る灯台に戻っていた。 (2015/04/15 17:31)
GM> ただ、ドアが出来ている以外は。 (2015/04/15 17:32)
GM> 『解錠』の魔法でドアの鍵を開けると、地下に向かう階段があった。 (2015/04/15 17:34)
シエル> (大きく深呼吸をしてから踏み込む) (2015/04/15 17:35)
GM> 階段はそれ程長くはなく、またしても魔法の掛かったドアがあった。 (2015/04/15 17:36)
GM> 決意を台無しにされた気分になりながらも、『解錠』を唱え、ゆっくりとドアを開ける。 (2015/04/15 17:37)
GM> 踏み込んだ部屋は薄暗いが、『光』の魔法が掛かっていた。 (2015/04/15 17:39)
シエル> そして、その奥にはイスに座る人影があった。 (2015/04/15 17:40)
黒髪の少女(NPC)> 初めまして。シエル=アリエス。 (2015/04/15 17:42)
シエル> …あなたは…? (2015/04/15 17:51)
黒髪の少女(NPC)> アント。アント=クイーン。 (2015/04/15 17:53)
アント(NPC)> 私も、魔術を習っていてね。でも、才能が無かったの。 (2015/04/15 17:57)
シエル> だから、『行き止まり』と同じように…? (2015/04/15 17:59)
GM> しかし、シエルは知っている。 (2015/04/15 18:00)
GM> 『とある少年の言葉』 (2015/04/15 18:02)
シエル> …そんな事は関係ない。 (2015/04/15 18:02)
シエル> それでも、私はあなたを救います。 (2015/04/15 18:03)
シエル> きっと、あの人だったらそうするように。 (2015/04/15 18:03)
GM> アントの暗い瞳の中でさらに暗い光が揺蕩う。 (2015/04/15 18:04)
アント(NPC)> …何か、勘違いをしていないかしら? (2015/04/15 18:05)
アント(NPC)> 私は確かに、才能がない自分は嫌だった。でも、あなたを殺したいのはそんな理由じゃない。 (2015/04/15 18:06)
アント(NPC)> 私はね、あなたより前からシアンくんと仲が良かったのよ。 (2015/04/15 18:07)
アント(NPC)> …? (2015/04/15 18:07)
アント(NPC)> 不思議そうな顔ね。『あの人』を指したのが彼だと解るのがそんなにおかしいかしら? (2015/04/15 18:08)
アント(NPC)> 一緒に夕食を食べたり、遊びに行ったり。色んな事をしたわ。 (2015/04/15 18:10)
アント(NPC)> 悩みを話して励ましてもらったことだってあった。 (2015/04/15 18:12)
アント(NPC)> でもある日、お父さんが過労で死んじゃったの。 (2015/04/15 18:13)
アント(NPC)> 私が、魔術を習うために必死に働いてくれてたのに、私は全く成果を出せなくて。 (2015/04/15 18:14)
アント(NPC)> この灯台から飛び降りて全部終わらせようと思った。 (2015/04/15 18:15)
アント(NPC)> それでも、最後に彼と話したかった。 (2015/04/15 18:16)
アント(NPC)> 彼がくれた不思議な人形…『テレコール・ドール』で呼んで、来てもらおうと思ったの。 (2015/04/15 18:21)
GM> 不思議な人形。シエルはそれを、『彼』が持っていたのは知っていた。 (2015/04/15 18:22)
GM> 衝突の時、彼が落とした物が、まさにそれだった。 (2015/04/15 18:22)
アント(NPC)> …これで解ったかしら? (2015/04/15 18:23)
アント(NPC)> シアンくんは私のために、街中を走り回ってた。 (2015/04/15 18:23)
アント(NPC)> でも、あなたのせいで。あなたと出会ったせいで、彼は来てくれなかった! (2015/04/15 18:26)
アント(NPC)> あの人の、あの人との記憶は私のもの!あなたも、彼との幸せな記憶を抱いたままでは死なせない! (2015/04/15 18:30)
GM> なんてことだろう。 (2015/04/15 18:31)
GM> 私が『最悪の出会い』として、記憶していた思い出は、彼女にとっての、『最後の分かれ道』だった。 (2015/04/15 18:32)
GM> 私と彼女は似た者同士で、その差異は『彼に助けてもらえたか、もらえなかったか』だけだった。 (2015/04/15 18:33)
GM> 彼が私に、『笛』をくれたのは。連絡手段を失わないためだった。 (2015/04/15 18:35)
GM> でも、だからこそ。私はここで負けるわけにはいかない。 (2015/04/15 18:40)
GM> 彼女と違う道を進み、彼女の救いを奪い取った私だからこそ、彼女にやり直させなければならない。 (2015/04/15 18:41)
GM> きっと彼も、そうするはずだから。 (2015/04/15 18:42)
アント(NPC)> 戦う気になったみたいだけれど、どうするの? (2015/04/15 18:46)
アント(NPC)> あなたはここに来るために魔法で『幻覚』と、『施錠』を消したのでしょう? (2015/04/15 18:47)
GM> 彼女の言う通り、大掛かりな魔法は後二、三回程度しか使えないだろう。 (2015/04/15 18:58)
GM> でも、彼女も私も、殺すための攻撃はしない。 (2015/04/15 18:59)
GM> ならば、残りの魔力など、大した差がない。 (2015/04/15 19:00)
GM> はずだった。 (2015/04/15 19:00)
GM> アントは石を取り出した。 (2015/04/15 19:03)
GM> 『魔法の才能がない』と言っていたが、『魔法』が『古代語魔法』を指しているとしたら…。 (2015/04/15 19:05)
シエル> 『石』の意味を理解したシエルも慌てて魔法を唱える。 (2015/04/15 19:07)
シエル> 同時の発動。 (2015/04/15 19:07)
GM> アントの投げた石からの魔法により、シエルの脚が押さえつけられる。 (2015/04/15 19:09)
GM> シエルの魔法は彼女に全く効いた様子がなかった。 (2015/04/15 19:09)
GM> アントがゆっくりと、近寄ってくる。 (2015/04/15 19:10)
GM> ふと。 (2015/04/15 19:11)
GM> 『彼』の言葉を思い出した。 (2015/04/15 19:11)
GM> 『本当に危なくなった時は、これを吹けよ』 (2015/04/15 19:14)
GM> 首から下がる小さな笛を、口に咥える。 (2015/04/15 19:15)
アント(NPC)> …助けなんか、来るわけない。 (2015/04/15 19:37)
シエル> 来ます。 (2015/04/15 19:38)
アント(NPC)> ここはただでさえ人の出入りが少なくて!笛の音なんて、地下からじゃ外に届かない! (2015/04/15 19:39)
シエル> 来る。 (2015/04/15 19:39)
アント(NPC)> だって、あの人は『あの一件』で、昔のあなたも!私も!憶えてない! (2015/04/15 19:41)
シエル> それでも、来るの。 (2015/04/15 19:41)
GM> 彼には、伝承に出てくるような強さはない。 (2015/04/15 19:43)
GM> 彼には、誰かを引っ張れるリーダーシップやカリスマがあるわけじゃない。 (2015/04/15 19:43)
GM> 彼には、世界を変えれる程の知名度や凄い力はない。 (2015/04/15 19:44)
GM> それでも。 (2015/04/15 19:44)
シエル> あの人は、私達の『ヒーロー』なんだから。 (2015/04/15 19:45)
GM> 笛を吹いた。 (2015/04/15 19:46)
GM> その直後、後ろの階段から高速で走り寄ってくる足音が聞こえる。 (2015/04/15 19:47)
GM> ドアが開き、夕焼けの光が差してきた。 (2015/04/15 19:49)
GM> 彼は、詳しい事情は全く知らない。 (2015/04/15 19:49)
GM> アシュリーから、シエルが灯台に行ったとだけ聞いて、何となく寄っただけ。 (2015/04/15 19:50)
GM> 灯台の裏から、笛の音が聞こえただけ。 (2015/04/15 19:51)
GM> シエルの唱えた、『音置換』によって、移動させられた笛の音が。 (2015/04/15 19:53)
GM> それでも、彼は助ける。 (2015/04/15 20:14)
GM> それが、それこそが、彼が『シアン=エクスルターテ』だという、存在証明で。 (2015/04/15 20:15)
GM> 『ヒーロー』と呼ばれる由縁なのだから。 (2015/04/15 20:16)
☆シエル(GM)が去っていった……☆ (2015/04/15 20:20)